セルフィン独想記「ミュステリオン」

都紀4109年3月15日

『心と心に架ける橋』『時は狂い、そへ至る道を隠す。界面解し開く基、デュアリティ・ダイアログ』  しばらく……といってもひと月ほどですが……フェンザードの影を見ないと思っていたら、彼らも独自に遺産のことを追っていたようです。幸運が重なったことでサラさんと以前さらわれたルーンフォークの方、リンナさんを救出することはできましたが、予断は許さない状況にあります。風花号と合流して先を急ぐべきか、万全を期して風花号との接触を控えるべきか、迷いますね。
 しかし、フェンザードにせよ、あの謎の男性にせよ、ミュステリオンをどこで入手したのでしょうね。遺産をめぐる詩のことをミュステリオンと呼ぶことはリンナさんが教えてくれたのですが、やはりリンナさんも詩の具体的な内容は知らない、あるいは覚えていないそうです。あの封筒も特別古いものではないらしいですし……落ち着いたら、いろいろ調べてみる必要がありそうです。
 今は真紅隊の皆さんと一緒に行動しています。日が暮れてからヴィラーチェさんの姿が見当たらないのですが、ソルベさん曰くヴィラーチェさんは誰にも寝る姿を見せたことがないんだとか……朝には戻ってくるだろうとのことですが、心配です。船の誰かが「取り付く島もない」と評していたのを耳にはしていましたが、ここまでだとは……
 どうしてか、『心と心に架ける橋』という文言が頭の中でぐるぐるしているのです。なんというか……魅惑的に感じるのです。架け橋を通じてみんなの心が一つになれば……みんなとみんなが分かり合える世の中を、というのはわがままでしょうか……

tales

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