パルティニア北部に広がる峻険な山岳地帯は北部のコタック地方と中央平原を別ける形で聳え立っています。その高さは平均でも3000m級という驚異的な物であり、ケルディオン大陸でも最高峰の高さを誇ります。
北方領首都である『ヴォレオ・カプノース』もまた標高2000mにある盆地帯に存在しており、北方のカナンから吹き上げる上昇気流を使った高機動の飛行型蛮族が多く暮らしています
山岳地帯北部では雨が非常に多く、この雨が岩盤を削る事による水とミネラルの豊富さから、カナンは多くの農業資源を獲得しています。
しかし、それは逆に言えばそこで雨の大半が消え去る事をも示しており、北方大公はそれによる農業資源の枯渇に常に頭を悩ませています。
北方領の主な食物は大麦などの高地に適応した植物や放牧される牧畜であり、大型飛行蛮族が家畜を爪で引っかけて上り下りさせる姿は北方領の名物と言えるでしょう。
ヴォレオの特産品として、高地に集まる風のマナに適応した特殊な植物、《ヴァンヴ―》があります。
風のマナに適応した事で軽く、しかし風に強いこの植物は構造物にも応用が可能であり、北方領においては木材代わりにも使われています。