新入生総代 宣誓

 本日はこのような素晴らしい入学式を挙行していただき、心より感謝申し上げます。先人がた先輩がたの不断の努力により受け継がれてきた碩学の都、その学知に触れる権利を得られることを、私たちはこの上なく嬉しく思っています。

 私たちは、入学試験を乗り越えここに至ったわけですが、この場に立つことができるということは、私たちが恵まれているという証明に他なりません。試験勉強に集中できる環境、入学のため、学園都市まで来るための資金、あるいはそれ以前の……学園都市の存在を知ることができたという幸運。どれ一つ欠けても、私たちはあの門を潜ることはできなかったでしょう。そして、どれか一つが欠けていたために、あの門を潜ることができなかった人たちが、大勢います。

 機会は万人には訪れません。恵みは全ての人にはもたらされません。だからこそ、恵まれている私たちは一生懸命に勉強するのです。知識を得て、探究し、恵みをより大きく実らせるため、少しでも多くの人に分け与えるために。

 よって私は学園都市新入生を代表し宣誓します。碩学を志すものとしての矜持を常に忘れず、先人の積み上げた学知に敬意を払い、真摯な学究に努めることをここに誓います。

 最後に、私自身も不撓の心を持ち、自らの研鑽を絶やさぬことを改めて誓い、宣誓の言葉の結びと致します。

大陸新暦315年4月1日
新入生総代 ソルージュ・ザイレム・サ

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