ケルディオンの神々

 ケルディオン大陸においても、やはりこの地特有の神というものがいるものです。  ここでは、そんな神々を紹介するとともに、他大陸と事情の異なる信仰についても記載します。

古代神

戦勝神ユリスカロア(第三の剣:アニムズ周辺)

「全ての神が万能と思うなよ」
 アニムズ周辺で信仰されている神です。キルヒアの娘とされていますが、キルヒアは中性神であり、神学者の殆どはこれを信じていません。古代神ではありますが、信仰が薄れ、ケルディオンではアニムズの人々が信仰することで辛うじて影響力を保持しています。勝利を至上とする考え方はアニムズのサムライ達の思想に合致し、多くのサムライがユリスカロアの神官戦士でもあります。彼らと敵対すれば、「どんな手を使ってでも」追い詰められ、首を取られることでしょう。

大神

登山神マロトロ(第一の剣)

「山という困難を乗り越えるのだ」
 ケルディオン大陸全土の人族に広く信仰されている神です。
 神になる前は登山家のドワーフで、大陸中の山々を制覇していました。具体的な出身や神になった時期はわかっていませんが、大陸最高峰を登頂した時にグレンダールによって神格を与えられたとするのが通説です。また、これに由来して、そこは霊峰マロトロと呼ばれています。
 登山は勿論のこと、冒険全般についての安全と成功を祈願して信仰されおり、冒険者や旅人に多くの信者がいます。そのため、マロトロ神殿は山小屋や宿を提供することが一般的です。

▼マロトロの特殊神聖魔法

『刻神』サルダナーン(第二の剣)

「どんなに屈強な戦士でも、心を折れば赤子と同じだ」
 サルダナーンは、魔法文明時代初期に神格を得た大神です。一人の優秀な魔法使いであったとも、残虐で強大なドラゴンだったとも言われており、実際の姿は誰も知りません。しかし何にせよ、この神が恐ろしい精神魔術を扱っていたことだけは確かです。洗脳、精神攻撃、記憶操作……この神により陥れられた者達の逸話は、枚挙に暇がありません。
 『人の精神の解明』を至上の命題としており、それの達成のためならどんな手段も厭わないのが、サルダナーン神官の特徴です。その特殊神聖魔法の性格上、闇属性の妖精魔法を扱う者も多くいます。また、狂気に陥った人族の研究者がこの神の声を聞くことも少なくありません。
 短絡的な暴力に走ることを良しとする神ではありませんが、総じて非常に第二の剣の神らしい神と言えます。しかしその異常性から、蛮族社会ですらサルダナーン信仰を危険視する風潮も存在します。
聖印の形状:人の頭に翳される両手

▼サルダナーンの特殊神聖魔法

『停滞神』ステナホ(第二の剣)

「時よ止まれ、世界は今こそ美しい」
 ステナホは、眠りの神カオルルウプテから神格を授かったとされる大神です。カオルルウプテがダルクレムの元を去った後に彼女に心酔し、(カオルルウプテにとって)偽りの世界で自身にしつこく話し掛けてくるステナホを疎ましく思ったカオルルウプテがなし崩し的に神格を与えたと言われています。ステナホはカオルルウプテと同様、現実世界は偽りだと考えていますが、その偽りの世界を美しいとも思っています。そして同時に、老いや死を非常に嫌っています。つまり、ステナホは時が止まり、何もかもが一切動かなくなれば良いと思っているのです。
 ステナホの特殊神聖魔法には、そういった思想から少しだけ時を操ったり、また、不確定な未来に対する恐れから、幻視型占瞳に関するものがあります。
 なんにせよ、今を生きる人々にとっては、忌むべき思想と力を持った神であることに間違いありません。
ステナホの聖印の形状:文字盤に亀裂が入った時計
ステナホの神像の形状:懐中時計を見て顔を顰めている青年。カオルルウプテと共に奉られている場合は、カオルルウプテの寝顔を慈愛の表情で見つめる青年。

▼ステナホの特殊神聖魔法

小神

清浄神セラウィ(第一の剣:ケルシガルー周辺)

「汝、穢れぬ者を愛せよ」
 ケルシガルー含む大陸南部で信仰されている女神です。神になる前は好奇心旺盛なルーンフォークの冒険者かつ勇猛な戦士であり、また高位の魔動機師でもありました。彼女は穢れを持つ種族を極端に嫌っているといわれており、したがって穢れを持つ種族に彼女が啓示を与えることは極めて稀です。
 彼女が神格を得る以前、かつて蛮族との戦争の最前線であったケルシガルー周辺を、己が力をもって収集した大量の守りの剣で覆うことで穢れなき安全圏とした、という逸話が複数の媒体によって残っています。また彼女が神格を得た際の詳細は文献が少なくいまだ不明なままですが、神学者の通説によれば、神格を得た後の彼女の逸話には『守護剣』ユスティリィなる存在が何度も現れていることから、これが彼女に神格を与えたのであろうとされています。これらの経緯からか、ケルシガルーにおいて神官といえばセラウィを信仰しているもの、という印象が強いようです。
 穢れの撲滅と誠実・健やかなる精神の育成を教義としており、彼女を信仰する者達は神官でありながら前線に出て蛮族を打ち倒す戦士でもある事が多いといわれます。ケルシガルーの領域防衛や対外交易を行う集団、『清純の巫女』のメンバーの殆どがセラウィ神官であることからもその傾向は顕著であるといえるでしょう。

▼セラウィの特殊神聖魔法

五大竜神ドラナリア(第一の剣:ドラナリア)

「力を育め。それはお前とお前の大切な者を守ることに繋がる」
 ドラナリアでのみ信仰されている小神であり、その国の名の由来にもなっています。五体で一柱の神であり、一体一体では、通常の小神の力に劣ります。この神が如何なる理由で神になったのか、元はどういった種族であったのか、ということは不明です。第一の剣に連なる神であることは間違いありませんが、調和を重んじること、力を蓄えること、無用な争いをしないことをそれぞれ説くことから、神学者達を悩ませています。そもそも複数の竜なのだから、それぞれの考えが違うことも自然だという意見もありますが。総合的には温厚な神です。ドラナリアにある大神殿に行けば、彼らから直接助言を得ることも出来るでしょう。

▼ドラナリアの特殊神聖魔法

神秘の秘匿者アイケトゥイル(第一の剣?:ケルディオン全域)

「秘密であることには理由がある。むやみに暴くことなかれ」
 ケルディオン各地で散発的に信仰されている神です。大陸全体に影響力がありますが、比較的若い神であり、信者の規模も大きくないため神格は地方神程度だとみられています。生前は魔動機文明時代の冒険者であり、ケルディオン全土を踏破する偉業を成し遂げました。大破局の際に神に至ったようですが、その際なぜか秘密主義の神となり、信者も閉口を貫くため神格について詳しいことはわかっていません。
 冒険者の間ではその神格より、彼がケルディオン各地に残したとされる四つのアーティファクトの逸話が有名です。それを手に入れるには、生き継がれる鍵と四つの合言葉が必要だと言い伝えられています。

飛来神メティオール(第一の剣)

「迷わば天を見よ。天は全てを知っている」
 飛来神メティオールは、〈大破局〉後のある日を境に突如存在と信仰が確認された神であり、それ以前の人となり、あるいは神格を得た時の詳細については一切判明していません。しかし、メティオールの神官であると自称する複数のセンティアンに第一の剣の他神同様の特徴がみられることから、第一の剣ルミエルに連なる神であるということだけは確かなようです。
 飛来神メティオールの教義の根底は「天」にあるとされています。天とは全てを知り、全てを表すもの。下を見ては進歩はない。行き詰まったなら上を向け。迷うことなく天を目指せ。それがメティオールの教えです。
 メティオールは小神ではありますが、その教えの広がりは大陸各地に広がっています。これは、「ある日」を境として大陸各地にメティオールを信仰するセンティアンが複数体確認されたからです。彼らは各地で飛来神メティオールの教義について、そして彼の人となりについて、また英雄譚について語ったといわれていますが、現在残っている情報ではそれらは一貫性がなく、そのうち合致していたのは「男性神」であること、「邪竜殺し」の経歴があること、そして「天を継ぐ」という合言葉のような文言のみだったといいます。
 メティオールの神としての歴史は極めて短いですが、その神歴の中で唯一特筆すべき出来事が、「星降りの刻」です。それは、〈大破局〉後のある夜のことでした。普段と変わりない夜。その空に一閃の光条が流れたのです。その光条は空を横断し、やがて地に落ちるようにして光を失いました。これが、「星降りの刻」――メティオールの神官が各地で確認されるようになる前日に起きた出来事です。これは夜であったために目撃者は多くはありませんでしたが、大陸全土においてこの現象が起こったという証言が存在しているため、メティオールの神格について疑問視する神学者でさえ事実として認めざるを得ない状況です。
 ケルディオンとは別の大陸からやってきた神学者からは、その教義や過去の出来事から、「フォールン」や「竜刃星」などとの関連性を疑われていますが、未だに詳細は不明です。
 メティオールの信者は主にセンティアンと人間です。これはかつて現れたセンティアンが未だに活動を続けているためであり、休眠状態になった個体が確認されていないためでもあります。センティアンたちの死亡は複数件確認されていますが、個体数が減少する様子がないことから、減るとともにどこかで増加しているのではないかといわれています。
聖印の形状:凹凸の激しい亜球体と右上に伸びる数本の光条

▼メティオールの特殊神聖魔法

神の対立者ブランアレイル(第二の剣:バベル・ディンギラ周辺)

「対立なければいずれ腐る。知ある者も、生み出される知も」
 神の対立者ブランアレイルは、アルフレイム大陸バルダキノ地方で信仰されている地方神です。神を殺して神になったとも、自身を座に導いた神を殺したともいわれています。教義としては対立と淘汰を掲げており、何者も、いかなるアイデアも競争に晒すことでよりよく、より強くなるとしています。
 漂着してきたトロールによってケルディオンに持ち込まれ、主にバベル・ディンギラ周辺で信仰されています。力を得る方法をわかりやすく示す教義のため(直接力をくれるダルクレムなどには及ばないものの)、五大将軍の一角が熱心に布教していることもあり、それなりに信者を集めています。しかし信者の数に比して神の声を聞きプリーストとなるものは少なく、それについては地方神であること以外にも理由があるのではとの推測もあります。
聖印の形状:逆さのY字。V系統においては、左下の線と交点の間に隙間がある。
神像の形状:女性戦士。剣に手を添え、鍔迫り合いをしているように見える。

▼ブランアレイルの特殊神聖魔法

その他

レブロス

規模:信仰途絶?
聖印:琴に口付けする妖精
 クプロ遺跡群の資料などに記述がある神です。クプロの音楽と妖精が結びついた文化に深いかかわりがあるとみられ、調査が進行中です。


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