高潔たる風花号《エヴィニエス・ハーデンベルギア 》

 魔動機文明時代、未開拓地を踏破するために作られた巨大陸上踏破船【キャラバン】シリーズの現代に残った数少ない一隻。
 全長150m 全幅57m 全高30m 最大収容人数200人、レッサードラゴンの攻撃を想定した堅牢な装甲とバリア装置を持ち、6軸のタイヤにより悪路走破性も高く、最大航行速度250km/h、ある程度の水上航行も可能、と現代では作成不可能な高性能を誇るが、一切の武装を搭載していないため直接戦闘は基本的に出来ない。また、内部にレール上にも乗り、魔導列車としても運用できる魔導トラックを一台格納している。
 動力は大気中のマナを高効率で変換、貯蔵し駆動する4基の大型魔動ジェネレーター、発掘後に増設された魔動列車に積まれたものと同様の屑魔晶石をエネルギーに駆動する予備動力を備える。

乗組員

壊れぬ想い(フラジャイル)” フラジール・ハーデンベルギア(人間/女/32歳)

「どんな壊れ物だろうと、客が待ち望んでいるもの運ぶ。それはただ物を運ぶだけじゃない、思いを運ぶということなのよ」
 ただの運送屋から僅か32歳という年齢で高潔たる風花号の艦長兼ギルド長ととなった新進気鋭の才媛です。
 16歳の頃冒険者として旅をしながら身一つで自ら運送会社を立ち上げ、今ではあらゆる物を扱う大陸で最も有名な貿易会社“オムニア・エキスプレス“の長となりました。
 本人に戦闘の才は然程ありませんでしたが先を見据えるその慧眼とどんな窮地でも失われない冷静さから軍師としての才覚は秀でていたと言われています。

“味覚の殿堂” マル・ウヮバミ(エルフ/男/165歳)

「誰でも手軽に美味しく、それが料理ってものよ」
 冒険者ギルド【紫毒蛇の籠手亭】の元ギルド長にしてアニムズ出身の伝説的な料理人です。現在は、高潔たる風花号の食堂係のトップを任されており、彼の料理担当の日は食堂の混みようが普段の3倍とも言われるほど、人気も非常に高くなっています。彼の料理は「冒険者向けの」ものとして、豪華さや凝った装飾を可能な限り廃しつつも飽きない味と手軽さをモットーにして作られています。

“人斬り” ヒゼン・ユキシロ(人間/男/28歳)

「なんちゃあない、酒と博打さえやらしてくれりゃえい。なんじゃその目は、給料分は働いとるきに、文句言う筋合いないやか」
 ヒゼン・ユキシロは高潔たる風花号の船員のアニムズ出身の浪人です。なまりの強い公益共通語で喋るため船内ではよく目立つ人物です。
 一応は船長の護衛の役割を担っていますが、この艦の商談の営業を一手に引き受けるムツ・サカモトの護衛についていることが殆どで、船内にいないことも多いでしょう。
 性格は基本的に雑で博打と酒を好み、よく身を持ち崩しがちです。また戦闘においては卑劣な手段を厭わない凶暴な人物でもあり、強烈な自己顕示欲から自らを剣の天才と称します……がどこか愛嬌があり周囲からは放っておけないと構われる末っ子気質です。
 戦闘以外では基本的にプライドは高いですが気さくでダメな大人と言った様子で基本的には付き合いやすいといえるでしょう。
 しかし自称の通り剣においては正真正銘の天才で、一度見た剣技を全て使いこなすことができる程の異常ともいえる才覚を示します。
 アニムズで国が平定する以前に現在国を治めているショーグンに仇なす反乱軍として要人暗殺などに携わっていたと言われていますが真実は定かではありません。

ライフォス・クライメイト(ダークドワーフ/男/15歳)

「俺は姉さんとは違う……な、何だよ。いいだろ、カッコつけたって!」
 ラーリス・クライメイトの弟、ダークドワーフの少年です。彼は優れた操霊使いでありながら、停滞神ステナホの神官でもあります。
 姉と道を違えて後、蛮族領域で生きていくことを決めた彼でしたが、現在は高潔たる風花号の捕虜兼雑用係として過ごしています。

“生き継がれし鍵” サラ(ティエンス/女/見た目15歳前後)

「秘匿します、黙秘します。遺産について、私が語るべきことはありません」
 『アイケトゥイルの遺産』に関する何かしらの情報を握っていると思われる少女ですが、本人にそのことを直接問いただしても、一切口を割りません。ある程度の戦闘の心得があり、操霊術士としての実力は高位に位置しています。現在は高潔たる風花号で、航法士兼いざという時の蘇生役として配属されています。

“時の旅人” リンナエウス・エル・カロラ(ルーンフォーク/女/29歳)

「遺産のことはよく覚えてないけど、歪絃の泡領《クロノスエンクレイヴ》のことなら色々知ってるよ」
 ルーンフォークの冒険者です。人間の魔動機師と共に小型スカイシップ【シャハーズ】で各地を巡りながら、主に泡領での思い出の品(歪絃の記憶、クロノアーケア)探しで生計を立てていましたが、ある泡領でサラを拾ったため、各勢力から追われる羽目になりました。死亡に伴う記憶障害によりサラについての経緯は覚えていませんが、歪絃に関する豊富な経験から有用と判断され、フェンザードによって蘇生され捕虜にされていました。

“血濡”クロウ・ヴァローナ(ラルヴァ/34/男)

 風花号の船員であり、艦長の護衛を務める男、それがクロウヴァローナです。
 普段は銀製の仮面を被り、日に一言も話すことがないほどの寡黙な姿から艦長以外話しかける人間はほとんどいません。
 魔器に習熟し、銃と刀を自在に操り敵対者を殺すその姿から血濡鴉と呼ばれています。
 プラグホルン出身で、その出自は謎に包まれており、かつては吸血鬼の従僕であったのではないのか?とすら噂されています。ヴァルター流鏖殺術を修めた冒険者ですが、かつては大陸中でどんな依頼も受ける殺し屋として名を馳せていましたが、ある時期から風花号の艦長に拾われ護衛を務めています。
 その言動や見た目から風花号の中でも交友関係はほとんどありませんが銀翼隊のメンバー、オニキス・ストランドとよく無言で食事をしている様子が最近は見られるようになりました。

真紅の地平隊(真紅隊)

“斥絶” ヴィラーチェ(人間/女/21歳)

「指示に従え。私は別にお前が無駄死にしても構わんが」
 真紅隊のリーダーです。アニムズの生まれですが、ある理由から故郷を離れました。その後真紅隊を結成し各地を放浪していましたが、マンダリンの誘いで風花号に所属することになりました。物の重さやその働く向きを自在に操る特異な戦芸を持ち、特に人や物を吹き飛ばすことが得意です。
 プライドが高く、言葉の節々に棘があり、何より食事すら自室で取るなど徹底して他人を寄せ付けない生活をしており、船員の多くは彼女との付き合い方に頭を悩ませています。

 主な修得技能:フェンサー/スカウト/タレント

“雨夜の惨殺者” レイン(人間/男/18歳)

「困るよな、不死者ってのは。なんてったってフェアじゃない」
 風花号の真紅隊に所属する青年です。ティダンの勇者……もとい“不死殺し”であり、ヴィラーチェの隊に籍を置きながら、単独で依頼を受注し、こなすという行為を繰り返しています。しかし、彼はそうした依頼から入手した金を隊のメンバーや艦の運営資金としてほとんど差し出しており、現状ヴィラーチェも強くは言えないようです。
 アニムズの出身らしく、彼の国に伝わる、不死者を殺すことに特化した近接戦闘術を修めています。また、彼の国の将軍家にのみ伝わる流派にも精通していると囁かれていますが……?

 主な習得技能:フェンサー/グラップラー/プリースト(ティダン)/スカウト/タレント

ソルベ(フィー/女)

「そんな言い方しなくても……ちょっとヴィラーチェ、待ちなさいよ」
 衝撃隊との人材交換で真紅隊に所属することになった隊員です。血気盛んな真紅隊のブレーキ役……は残念ながら果たせているとは言い難いですが、振り回されながらも他の隊員にない役割を請け負ってチームに貢献しています。
 マンダリンにまつろうフィーは英雄譚を好み蒐集する傾向があります。彼女はヴィラーチェを気に入っているらしく、何かとつきまとっては世話を焼いたり口の悪さをフォローしています。しかしヴィラーチェはそれを煙たがっており、ヴィラーチェの自室の前でしおれながら白いスポンジ状の甘味を頬張るソルベは船の日常風景となっています。

 主な習得技能:フェアリーテイマー/レンジャー/セージ

散華せし花冠隊(散華隊)

“求道” ソノヴァ(エルフ/男/107歳)

「俺は復讐には興味ない。力を求めるのは、二度とあの屈辱を繰り返さないためだ」
 散華隊のリーダーです。彼の故郷の村は、フェンザードの強化人間に成す術もなく滅ぼされました。しかし生き残った他のエルフたちは、彼らの行いを非難し嘆くばかりで、それに対抗する力を探そうとはしませんでした。ソノヴァはそんな彼らを見限り、自分の明日を守る力を探すべく風花号に乗り込んだのです。

 主な修得技能:アルケミスト/セージ

唸れ衝撃の衝撃唸り団(衝撃隊)

“橙花” マンダリン(メリア長命種:みかん)

「英雄たちの乗る船、いいよねぇ。この子たちならきっと、天の果てだってたどり着けるでしょ」
 衝撃隊のリーダーです。ヴィラーチェ、ソノヴァが戦いに前のめりな考えを持つ中、どこかほんわかした彼女は、近くに居るだけで自然と雰囲気を和らげます。
 発掘時から船長と関わりのある風花号の最古参メンバーですが、時折見せる突飛な行動でしばしば周囲を困惑させます。また、彼女は多くの妖精やフィーに慕われており、船員たちは彼女が生きたトーテムなのではないかと噂しています。

 主な修得技能:フェアリーテイマー/バード

銀翼のヴェクターズ(銀翼隊)

プレイヤーチーム。各自自己紹介をどうぞ。

セルフィン・ザイレム・イノ(人間/女/19歳)PL:弓百弓

「本とか教書とかで学んだことを、こうして実際に目にするとちょっと感動しますよね」
 その日は朝からずいぶん騒がしかった。家の跡を継ぐべき姉、シルルがいなくなっていたのだ。ザイレム家は、ディフォールグランデ地方で防人を務める名家であり、代々神官がその当主を務めている。ゆえに姉が跡を継ぐことは既定路線であり、日々の儀礼やお見合いに姉は普段から不満を言っていた――夜逃げであることは間違いないであろう。セルフィンは騒ぎに乗じ家を飛び出した。「私が姉さまを探してきます」「大丈夫です、ひとりでも。姉さまから槍術の手ほどきを受けていますので」この日のために、自分も炎武帝の声を聞いたことをずっと隠していたのだ。かくして彼女はあてなき冒険の旅に出た、本で読んだ世界を求めに、あるいは本当に姉を探しに。「まずは……北の大陸ケルディオンでも目指してみるかな」小柄な身体を荷物の隙間に隠し、まだ見ぬ大地に期待を膨らませながら。
 ずっと本を読みふけりながら、いつかその景色を自分の眼に収めたいと夢見ていた。そのため広範に雑学を身に着けてい(て、事あるごとにそれを披露したが)る。閉鎖的な貴族社会で育ったため、かなり常識的ではあるが、若干環境に常識を歪められている点も。

栄環(グロリファイド)”フェリア・アルシューマン(ヴァルキリー/女/15歳)PL:ドリュウ成亜

「私は、そうするようにと育てられてきましたから。助けを請われれば助けますし——――秩序(ヒト)と敵対するなら、殺します」

 名深領出身、ライフォス信徒の家に生まれた"祝福された娘"。幼い頃から神殿の活動に参加させられ、敬虔なライフォス神官として世の為人の為に役立つよう期待されて育てられた。
 しかし周囲の期待と努力も虚しく、神がフェリアに語りかけることはなかった。その一方、本人が興味を抱いたのは操霊術であり、神殿とはまた別に師を得て学んでいた。このことを快く思わない者もいたが、両親はそれも1つのやり方だろうと認めていた。
 モラトリアムは長く続かない。成人した彼女に突きつけられたのは、突然の旅立ちであった。「大人になったのだから、一人立ちして世の人々のお役に立って来なさい」と言って持たされたマギステルへの飛空船の片道切符を手に、フェリアの冒険者人生は始まったのであった。

“黒銀の死神”ナグ・ドレド(リルドラケン/男/13歳)PL:まつこ

「逃げも隠れもするが嘘は言わねえ、ナグ・ドレドだ。よろしくな!」
 明るく社交的、協調性も十分、ただし頭は少し弱い。ナグ・ドレドはそんな親しみやすいリルドラケンの少年ですが、その過去は一人の少年に背負わせるにはあまりにも重いものです。運命はいつもこちらが準備するよりも前にやってきます。故郷を滅ぼされた彼は、かつての友人との約束を守るため、冒険者となりました。多くの仲間に囲まれ(女性の比率が多いせいで、多少気後れしてはいますが)、今彼の人生は充実しています。しかし彼はまだ知りません、悲惨な運命が、再び彼を待ち受けていることを。

鋼鉄鎖鎚(キオンペトラ)”ラーリス・クライメイト(ドワーフ/女/16歳)PL:雨宮★智成

「ボクは生きるよ。ボクの望む未来を」
 ラーリス・クライメイトは、"無慙楽土"ミナディウム出身の少女です。彼女は14歳の頃、貧しい暮らしから家族を養うため、魔法使いである弟と共に、両親の元を離れて冒険者になりました。結果として弟とは進む道を違えましたが、現在でも彼女は家族を想い、その全てを愛しています。実際、彼女は今でも両親からの唯一の贈り物であるぬいぐるみを大切に持ち歩いているようです。  

虚吼(ニヒト)”オニキス・ストランド(ルカフィユ/女/25歳)PL:ぶんぶん

「死は安寧ではなかったから、世界[地獄]を巡るほかなかった。 でも案外楽しいよ、少なくともご飯は美味しい」
 ルカフィユの父とマナフレアの母の間で死なない種族、ルカフィユとして生まれたのがオニキスです。
 ルカフィユ自体は彼女の故郷である、時を奪う雨、“時雨(タイムフォール)”が降り続ける島オルエディアに特有の種族で、彼らはビーチと言われる死の世界と生者の世界の狭間を認識し、そこを行き来することで現世に帰還します。そのため彼らは帰還者とも呼ばれ、ある意味では死ぬことが出来ない者たちであるとも言えます。
 彼女の母は彼女がまだ赤子だった頃に病で倒れ、それが原因だとある事故を引き起こし街一つを消しとばす大惨事を引き起こしました。
 それを悔やんだ彼女の父は、彼女を連れ街から去りました。父は時雨で分断されている街の間で物資を運ぶポーターとして働き、彼女もそれを手伝っていました。
 しかし、ある日ふと母の写真を見た彼女は自分で一度死ぬことでビーチに行けば、顔も覚えていない死んだ母に会えるのではないかということを思いつき手元にあった銃で頭を撃ち抜きビーチに向かいました。ビーチで体感時間で200年ほど(ビーチには時間の概念が存在しません)探し続けましたが母は全く見つからないため、諦めて帰還しようとした際、普段の帰り道を見失い、適当な場所から戻ったところそこは普段暮らしていた部屋ではなく全く見知らぬ土地であったのです。
 そう、帰還の際座標がずれてしまい彼女は大陸に流れ着いてしまったのです。仕方がないと彼女は持ち前の能天気さで折角だから父親に怒られるまでは旅でもしようかと彼女は旅を続けています。


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