ケルディオン大陸北部に位置する城塞都市。ケルディオン大陸における蛮族との戦闘の最前線であり、その戦闘の激しさは『大破局』当時そのままだと言われることもある。しかし、『守りの剣』は多くの冒険者や兵士達によって十全に機能しており、その庇護を求めてやってくる民間人や、戦果を上げて英雄とならんとする冒険者などの来訪は後を絶たない。無論、そのほとんどが道半ばで果てるのだが。
蛮族との戦いを推奨していることから、ライフォス、ティダン、キルヒアなどへの信仰が盛んであり、また、誰でも学べ、蛮族への対抗策となることから魔動機術も人気で、マギテック協会も強い力を持っている。
王政であり、この地にカナンを建国したエルフ、アベル・カナン(354歳)その人が国王として統治している。
城塞都市カナンが所有する騎士団です。
“約束された王”アベル・カナン直々に【レベレイション】の魔法によってライフォス神官となった者達で構成されており、一人一人の実力も高い水準にあります。彼らが戦う時は、王や騎士団長による【ディバイン・ウォー】によって戦力を底上げし、格上の敵相手にも集団戦術によって有利に立ち回ります。
普段はパルティニアとの国境に存在するチョクレーキ砦に詰めており、日々蛮族との激しい戦闘を繰り広げていますが、神聖魔法による生存能力と長年積み上げてきた戦闘経験により、犠牲は最小限に留められています。
パルティニアとカナンの国境付近に存在する堅固な砦で、建造されてから200年以上の間、陥落したことは一度も無い難攻不落の防衛線として、国内外問わず有名な場所です。
王の存在と、その剣に次ぐカナンの精神的支柱であり、24時間態勢で蛮族の侵攻が無いか見張られています。当然激戦区であり、いくら神聖騎士団が優秀といえど、人手不足で、冒険者や傭兵を金で雇うこともままあります。
昨今では資金繰りのため、『チョクレーキのチョコケーキ』という高級菓子を製作、販売しています。
「人と蛮族は、一体いつ戦争を忘れることが出来るのでしょうか……」
城塞都市カナンの建国者にして現国王です。優れたライフォスの神官剣士であり、政治能力にも長けています。
幼い頃に王になることを魔術師に予言され、彼の持つ魔剣は決してその輝きを失いません。
ライフォスの教えの中でも『調和』を重く見ており、蛮族ともいずれは和解出来ると信じていますが、実際は夢のまた夢です。
世継ぎがいないことも問題視されており、カナン王家の安泰が国民に望まれています。
「ここは我が妻も眠る場所。蛮族共に抜かせはせん」
カナン神聖騎士団の騎士団長です。白銀の髪と口髭、そしてその銀色に磨かれた鎧から、カナンの銀獅子と呼ばれ、敵には畏怖され、味方からは尊敬の対象となっています。
かつてアベルと旅を共にし、カナン建国に貢献した彼は、妻と共に騎士団を立ち上げ、300年の長きに渡って国を守護してきました。
最近では、一人の戦災孤児を養子として引き取り、溺愛しているそうですが、彼女が騎士団に入団することになり、アベルに抗議しています。
「好きな人を追ってこんなところまで来ちゃった。でも、とても幸せだったわ」
レオ・ライオットの亡くなった妻であり、彼女もまたアベルやレオと旅をしたメンバーの一人です。優れた妖精使いであり、また錬金術にも秀でていました。
メリアの長命種の中でも特に長生きしましたが、数十年前外出中に死去しました。死に目に会えなかったレオは、彼女が姿を変えたハナミズキの木の根元で一晩中泣き続けたと言われています。
彼女が死去した周辺は、現在では広大な森となっており、自然の砦として蛮族の侵攻を防いでいます。死して尚国を守った英雄であると、国内では彼女のことが高く評価されています。
「お父様は心配し過ぎ!私だって、もう戦えるんだから!」
レオ・ライオットの養女であり、カナン神聖騎士団に入団して頭角を現しつつある女騎士です。
2年前、チョクレーキ近郊に出現した魔剣の迷宮を攻略し、自身で『ライオンハート』と名付けた魔剣を振るいます。その戦いぶりは養父にも迫ると言われ、国内ではアイドル的人気もあるようです。
「明日死ぬかもわからないんだ、今の内に報酬だけでも気前よくしとかないとね」
カナンの冒険者ギルド支部『竜のあぎと亭』の支部長です。かつては彼女自身も冒険者として活動し、武器が全て砕かれながらも素手で竜を倒したという伝説は今でも語り継がれています。
金払いが良く、実力に見合った依頼を提供してくれることから、冒険者達には信頼されています。