#author("2025-03-17T23:11:34+09:00","","")
#author("2025-03-17T23:20:36+09:00","","")
* ルフェネ大陸 [#lfc50163]

 ルフェネは、ケルディオンの南方にある大陸です。島と呼べるほどの大きさしかないという説もありますが、過酷な気候ゆえに全土の測量が完遂されたことはなく、その全貌は未だにわかっていません。~
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 気候は寒冷で、一年の半分以上を降雪の下で過ごします。それゆえ食糧事情が悪く、また都市部を一歩離れれば氷河と吹雪に閉ざされた凍土であり、キウェートの他に街や村は確認されていません。

* "白き魔方環"キウェート [#d2c2e5db]
 北方沿岸に位置する、大陸唯一とされる国家です。計画的に建設され、空から見ると美しい紋様になっています。夏には日が沈まず、冬には昇らないなど、その天候も特異です。~
 大陸唯一とされる国家です。計画的に建設され、空から見ると美しい紋様になっています。夏には日が沈まず、冬には昇らないなど、その天候も特異です。~
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 魔法文明時代の文化を色濃く残し、かつてブルーブラッドと呼ばれた、目を合わせるだけで民を支配できる恐るべき血筋すら健在ですが、それを免れるザイレム御三家の存在により、独裁とはなっていません。しかし、それでも貴族たちによる封建制であり、特に食糧を巡っては貴族から順に分配されるため、彼らと平民との間に大きな溝があることは確かです。

** 都市の形態と貴族政治 [#wf8b57a2]
 キウェートの中央には広場があり、それを囲むような環状路、さらにそこから伸びる六本の大通りと、中心地区は典型的な魔法文明様式の円形都市です。特徴的なのは、その外側に配置された三つの扇形の地区と、さらにその外側に環状配置された24の方形の地区群です。これらの地区それぞれが貴族の封地であり、中心からそれぞれピス家、ザイレム御三家、フロウェン諸家と呼ばれてます。行政は基本的にその地区に封ぜられた貴族によって行われますが、政体としては連邦であり、各貴族の当主二十八名によって構成される合議会の決定が最も強い力を持ちます。数多くの貴族の滅びを目の当たりにし、&ruby(ドミニオン){貴族の支配力};が全能ではないことを理解していることから、圧政は避け臣民にもある程度配慮した統治が為されています。

*** ディヴァリオ [#m143c9d4]
 領地間にある隙間にはスラムが形成されており、ディヴァリオと呼ばれています。~
 もとは開放感の創出や貴族間の衝突抑止、農林業などのために設けられた広場でしたが、その所属が曖昧なまま放置されたため、次第に無法者たちが集まるようになりました。今更帰属を話し合っても紛糾は免れない上、非合法的な活動は時に貴族の利益にもなるため、貴族の間ではアンタッチャブル扱いされています。~
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 平民たちにとっては、法の及ばぬ治安の悪い地域であり、支配の及ばぬ自由な地域です。守りの剣のない場所でもあり、迫害から逃れたナイトメアやアルヴなどのコミュニティもあります。


** 貴族たちとその文化 [#h363eb01]
 キウェートの貴族たちは伝統を重んじ、儀礼的な文化を継承しています。その伝統は家により異なり、それにより一部の封地は特色ある風景を形成することもあります。また、家同士の戦争は厳に慎むべきだとされ、紛争事項が議会での合意に至らなかった場合、1対1の代表者決闘で解決されることになっています。~
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 なお、キウェートの貴族はほとんどが人間の当主を立てます。フロウェン諸家の中には他種族との婚姻を慣例としたり、緒種族の当主を認める家もありますが、穢れを持つ者は決して貴族の縁者として認められず、ナイトメアが産まれてもほとんどは何らかの事由で夭折します。

*** ピス家 [#jc37429c]
 中央地区を管轄し、高貴なる血を継ぐもの、それがピス家です。複雑怪奇な儀礼を擁し、その全貌を把握することは家の者といえど困難です。さらに困ったことに、ブルーブラッドを維持している儀式がどれなのかわからなくなってしまっているため、合理化もできないのが現状です。国難にあたってはその血の力を用い事態の収拾にあたりますが、濫用すれば国体の寿命を縮める危険なものとされ、平時は極めて消極的な態度を維持するものとされてきました。

*** ザイレム御三家 [#ad52e367]
 ピス領の周囲を囲うように配置された三つの扇状の領地、それがザイレム御三家です。その配置は見方によってピスを護るようにも、囲い追い詰めているようにも見えます。「もとは一つの家であった」という体でそれぞれは分家と称され、北東の扇にイノ分家、西にウェ分家、南にサ分家が配置されています。かつてシルバーブレイドと呼ばれた血筋の末裔であり、ピス家の"支配力"を拒否することができるため、ピス家に対する抑止力として働いています。ザイレムは神官戦士の家系であるため、この血が薄まらず維持されているのは神の加護によるものだという説が有力です。貴族であるためやはり儀礼伝統の束縛を受けますが、戦士の家であるため実務的な儀礼が多くを占めます。~
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''ザイレム・イノ分家''~
 北東の領主イノ分家は、代々グレンダールを信仰し、その加護を受けています。御三家の中では最も穏健派であり、静観を決め込むことの多いピス家に代わって紛争の調停を行ってきました。~
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''ザイレム・ウェ分家''~
 西の領主です。ダルクレム信仰を掲げており、他の貴族からは最大限の警戒を受けていました。しかし四千年の歴史の中で彼らが蛮族と繋がっていたことは一度もなく、今では十分信頼を得ています。決闘により当主を決定するなど、その慣習には血気の多いものが見受けられます。~
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''ザイレム・サ分家''~
 南の領主は第三剣の神ユリスカロアの庇護下にあります。魔動機文明後期にはなぜか神の声を聞けなくなり大きく没落していましたが、大破局以降のいずれかの時期よりそれを取り戻し、今では代々神官を当主に任命できるまでに復権しました。その信仰からか不合理な慣習を軽蔑する傾向があり、他の貴族からは煙たがられています。一方でその視点は貴重なものでもあり、没落時代もピス家からは大事にされていました。~


*** フロウェン諸家 [#k3f83265]
 ザイレム三領のさらに外側を、二重円を描くように配置された24の方形の領地、それらの領主がフロウェン諸家です。ピスから見た時の形状から、内側十二家を方形領、外側十二家を菱形領と呼ぶこともあります。貴族間でのパワーバランスという点では両者に差はありませんが、菱形十二領は外敵に直接晒されやすいことから、他と比べて緊張した雰囲気が漂い、またその領主には一定の敬意が払われています。


** キウェートの信仰 [#qd7955da]
 国全体として定められている国教はありませんが、貴族平民問わずその多くが太陽神ティダンを信仰し、なんとか恵みを受けられないかと祈りを捧げています。明けぬ夜に震える冬には月神シーンにも祈りを捧げ、その慈悲を求めます。~
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 その他、ザイレム御三家はそれぞれ自らの崇める神の信仰を臣民にも求め、特に炎武帝グレンダールの信仰はよく定着しています。戦神ダルクレムや戦勝神ユリスカロアも、それぞれの逆風を乗り越えそれなりに信仰されています。


** 冒険騎士と放浪者 [#v7957e77]
 キウェートには、冒険者にあたる者や冒険者ギルドに相当する組織はありませんが、代わりに騎士団の中に冒険騎士と呼ばれる編制があります。騎士の中でも特に実力や見込みのある者が叙任され、万が一外敵が襲来した時には、雪嵐の吹きすさぶ辺土を強行し拠点を根絶する最も危険で最も重要な任務を課せられます。そのために普段から武芸を含む様々なスキルを磨いており、その実力を活かして都市内の事件解決にも赴くこともあります。騎士のほとんどは適性検査を受けて叙任された平民ですが、原則として貴族の統制下にあり、冒険騎士隊長も貴族が務めます。~
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 騎士でない平民が威力12以上の武器を携行すること、魔法を使用することは禁止されていますが((魔動機術の一部を除く))、&ruby(ヴァグランツ){放浪者};はキウェートにも一定数存在しています。彼らの多くは取り締まりの難しいガンを好みますが、違法を承知で通常の武器を振り回す者も少なからずいます。彼らのほとんどはディヴァリオの酒場などに拠点を持ち、無法地帯にあって破綻を防ぐべく活動しています。ディヴァリオでは彼らのみが弱き者を守れる存在であり、また自由を標榜する彼らは、貴族支配への抵抗の象徴でもあります。 ~

** ケルディオンとの関わり [#web3b79a]
 ケルディオンは一般に帰らずの大地と呼ばれるように行ったら戻ることがかなわないとされていますが、キウェートの貴族たちが特別な航路を開拓し、決して大きくない船を年に4隻ほどのみではありますが、一応の往来が可能となっています。ただし平民がこれらの船に乗ることはできず、観光客も稀であるため、その往来のほとんどは外交と貨物が占めます。鉱夫となるのを嫌がり密出国を試みる者は後を絶ちませんが、そのほとんどは船上で検挙され未遂に終わります。~

** 陽だまり鉱とキウェートの文化 [#d122dd2c]
 キウェート領の地下で採掘されている、橙色の宝石のような鉱物です。見た目は綺麗ですが、妖精は一切寄り付かないため、宝石には分類されないと考えられています。わずかにマナを注ぐだけで長時間発光・発熱する性質があり、キウェートは国土全体を陽だまり鉱で温め続けることで居住可能な気候を保っています。陽だまり鉱の取り付けられた街灯柱はディヴァリオであっても見ることができ、キウェートの景観上の特徴となっています。~
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 また、鉱滓にも植物の栄養状態や農産物の栄養素を改善する肥料としての効能があり、陽だまり鉱の光熱と合わせ、キウェートの弱い日照に頼らずとも農産が可能となっています。キウェートの主食はこうして育てられた栄養に富む豆類であり、農産物やその他の資源を「無駄食い」する畜産はほとんど行われていません。~
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 なお、ルフェネ大陸において陽だまり鉱に依存しない熱源(魔動機暖房や国外で育てられた薪など)によって暖を取ろうとすると魔神が出現することが知られており、代替熱源災害という名で恐れられています。この魔神は暖を取ることを目的としない魔動機やその他動力などに呼応して現れることもあり、キウェートを出入りする貿易船の設計や運用に厳しい制約がかかっている他、キウェートが魔動機文明を十分に享受できず魔法文明時代の風景を色濃く残す一因になっています。~
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 陽だまり鉱の寿命は3ヶ月ほどであり、全土を温め続けるには継続的な採掘が不可欠です。しかし地下鉱脈はどれだけ対策を講じても頻繁に崩落事故が起こり、その採掘は常に命がけです。死者の出ない月はなかったとまで言われており、作業員の安全確保は不可能とみなされています。奇妙なことに、それだけの崩落を起こしていながら地上で陥没が起こったことはなく、また崩落した座標を再度採掘すると再び陽だまり鉱が得られるのです。なお、これを人身供犠になぞらえて揶揄するような言論を流布する行為はキウェート人民の士気秩序を破壊する革命行為として、死罪を代表とする重罰が課されることになっています。~
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 危険な職場ではありますが、陽だまり鉱によって支えられる領土の広さはその産出量に制限されているために新たな開拓ができず、行き場を失った貧民は鉱夫となるしかないのが現状です。鉱夫には、10年も勤務すればその後30年は暮らせるほどの給料が支払われますが、それまで貧しい暮らしをしてきた者が年に一度支払われる多額のガメルを前に自制心を保てることは稀であり、多くの鉱夫は犠牲になるまでずっと貧しいままです。なお、士気や秩序を損なわないよう、懲罰として鉱道に犯罪者を送ることは極力避けられています。

** 国土周辺の環境 [#k9c04bdb]
 本来夏でも気温が氷点を上回ることのない、大陸全体が氷床に覆われていると考えられているルフェネ大陸ですが、キウェート周辺は陽だまり鉱によって氷河が融かされ、国土が氷河と共に流されてしまわないようになっています。それによって生じる大量の水は、氷河の流れに沿って掘られた運河によって海に放流されています。この運河はキウェートを出入りする貿易船の航路でもあります。~
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 この運河は年中豊富な水量があり、通常詰まることはありませんが、両岸氷河の崩落や水量減少による凍結など、何らかの事由でこの運河が詰まってしまうと、交易船が通れないのみならず、国土が水没してしまう恐れもあるため、運河の点検と維持は冒険騎士の主要な任務のひとつとなっています。

** 歴史 [#j20e3dc2]
 キウェートの建国は四千年ほど前、魔法文明時代後期にまで遡るとされており、当時を紀元とする暦も使われていますが、なぜこのような極めて過酷な土地において陽だまり鉱が発見され、国が築かれるにまで至ったのかについては、史料が欠落しておりわかっていません。先述のように魔動機の導入が難しいこともあり、キウェートの人々は当時から四千年間ほとんど変わらない生活をしていたと考えられています。

** 「来光の日」 [#p0a89276]
 キウェートには4ヵ月にわたって日の沈まない白夜と、同じく4ヵ月にわたって日の昇らない極夜がありますが、特に後者は厳しいキウェートの気候を象徴するものであり、人々を大いに苦しめます。そのために長い極夜が明け太陽がその姿を見せる8月22日は来光の日と呼ばれ、キウェートにおける年始として位置付けられている他、そこから3日間の間は国を挙げて祝祭が執り行われます。~
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 なお、何度も祝祭を行う資源がないために、キウェートにおける祝祭日はこの3日間のみとなっており、結婚やその他の個人的な慶事もこの時にまとめて行うのが通例となっています。そのためキウェートの人々は、来光の日を基準とする数え年で自分の年齢を数えます。

** 人物 [#wc13d211]

*** “辣腕断行”クロマ・ピス=キウェート(人間/女/29歳) [#n0543bc8]
'''「この地には換気が必要だ。改革という名の換気が」'''~
 ピス家の現当主です。12年前、ピスの伝統からすれば異様な若さで即位した彼女は、徐々にですが様々な制度や慣行にメスを入れ、貴族運営の効率化に寄与しています。~
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 しかし、その改革を行うために、大破局以来の頻度で“支配力”の行使があった、さらにそれをフロウェンへ直接行使したなど、その実態はかなり強権的です。そのためにザイレム家、特にウェ分家・サ分家からは「二十八家分権の原則に反しており、現在のピスは全権を自分に集めようとしている」と警戒されており、「ピスが伝統を、ザイレム/フロウェンが変化を担う」という従来の構図から逆転が生じています。~

*** “風前の灯火”カリミア・ザイレム・イノ(人間/女/43歳) [#u24a01f1]
'''「どうしてこうなってしまったのかしら……」'''~
 ザイレム・イノ分家の現当主です。混迷を深めるキウェート情勢において、立場を明確に示せずにいる上、次期当主候補が次々に姿をくらましたため、ザイレム・イノ分家は数年で大きく求心力を落とすこととなりました。彼女自身は既に見放され、他の貴族たちの関心はケルディオン全域とのコネクションを得て凱旋したセルフィンに移っています。~

*** “&ruby(ラウグリン){三色纏い};”セルフィン・ザイレム・イノ(人間/女/22歳) [#l7d5cae1]
'''「貴族は平民のためにあるべきです。神が私たちのためにあるように」'''~
 ザイレム・イノ分家の次期当主です。一時期行方不明になっていましたが、高潔たる風花号のクルーとしてケルディオン大陸を巡っていたことが判明、人の身を超えた槍の腕を携えて帰ってきました。今はケルディオン特使として、ケルディオン・ルフェネ両大陸を往復する日々を送っています。~
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 彼女は混迷するキウェート情勢の中、ケルディオン特使として飛び回り、貴族政治の改革にも賛同するなど、一見クロマ寄りの立場を取っているように見えます。しかし対フロウェン、対平民政策には意見に若干の溝があり、時折“支配力”の行使に苦言を呈することもあります。~


*** “巨漢”ロンブレイグ・ザイレム・ウェ(人間/男/36歳) [#fcc86489]
'''「目の前で起きてる横暴を放っておくわけにはいかねぇだろ」'''~
 ザイレム・ウェ分家の現当主です。実際の身長は184cmですが、彼を目にした者は口をそろえて「彼は2mを超える巨漢だった」と言います。極限まで鍛えられた肉体と格闘術が、相対した者にそう錯覚させるのだと専らの噂です。身内に対しては気さくな大将ですが、クロマのやり方は良く思っておらず、戦争も辞さないと公言しています。~

*** “老獪たる”ビハール・ザイレム・サ(人間/男/85歳) [#i4cc5523]
'''「戦争など起きないに越したことはないのだ」'''~
 ザイレム・サ分家の前々代当主です。当主の座は譲って久しいですが、今なお多大な影響力を分家内外に保持しています。しばしばロンブレイグを諫めてはいますが、やはりクロマとは対立する立場にあり、水面下で何かの準備を進めているとの噂もあります。~
 
*** ザスティ・ミスリルハーツ(リカント/男/32歳) [#uf967190]
 キウェート連邦において国外との貿易を一手に引き受ける組織“ノヴィタル貿易”の主宰を務めるのがザスティ・ミスリルハーツです。~
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 彼やその兄妹はただ貴族の私生児というだけでなく、士族の力をも継いでいたために、危うい立場にありました。しかし彼はそれを自らの才覚と人徳で切り抜け、さらにはその手腕を持ってして“ノヴィタル貿易”を設立し、今やキウェートの対外貿易を独占するにまで至りました。また政治的、経済的手腕だけでなく戦士としての実力も高く、数々の暗殺者を自らの手で返り討ちにするほどです。~
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 現在はその手腕を駆使して精力的に働き貴族からの信頼すら勝ち取りました。しかし裏では独自の戦力の構築や一部の貴族などへの根回しを通じて国家体制の改革を目指している、あるいは士族を率いてのクーデターを目論んでいるとの噂もありますが、その真偽は定かではありません。~

*** “凍った戦士”クランテ・ベル(ルーンフォーク/女/31歳) [#qf545330]
'''「……ほっといて」'''~
 伝説的な放浪者の革命戦士です。彼女はかつては精力的に反体制活動を率い、12年前にはピス家へ討ち入りまで敢行しました。しかし彼女はその討ち入りの顛末について語ろうとはせず、またそれを境に反体制活動への意欲を完全に失ってしまいました。今ではディヴァリオの片隅にあるバーで酒を呷るばかりの、退廃的な生活を送っています。~

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